個性と能力

サイコパスとは?意味と特徴6つ。判断基準+10問の診断テストも!

人間

「psychopath(サイコパス)」と呼ばれる人たちは、一体どんな人たちなのでしょうか?

ニュースで見るような異常犯罪者やシリアルキラーによって存在が確認されるようになった「サイコパス」たちですが、彼らの特徴考え方の傾向とはどのようなものなのでしょうか。

サイコパスの特徴や行動傾向、知っておきたいことについてまとめました。

最後には、「自分がサイコパスかどうか」を見てみるテスト(診断)もあります。

「psychopath(サイコパス)」の意味と定義

一般に言われている「psychopath(サイコパス)」とは、どういう意味なのでしょうか?

まず、サイコパスは、いわゆる「反社会的人格」のひとつです。

人間は、社会秩序の中で生きている(社会秩序の中でしか生きられない)生き物です。「反社会的人格」というと、その社会の一員としてうまく機能しない・なじまない・逆に秩序を乱すような人格のことをいいます。

アメリカの犯罪心理学者であり、「サイコパシー・チェックリスト(PCL)、(PCL-R)」を開発したことで有名なロバート・D・ヘア氏は、サイコパスについてさらに具体的に以下のように定義・説明しました。

  • 良心が異常に欠如している
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然と嘘をつく
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的

犯罪心理学者のロバート・D・ヘア氏による「サイコパスの定義」

3つの反社会的人格(先天的サイコパス・後天的ソシオパス・一時的性格神経症)

反社会的人格には、大きく分けて3つの種類があります。

  1. ソシオパス的人格…親や育った環境によって形成される、後天的なもの
  2. サイコパス的人格…生まれつき備わっている、先天的なもの(脳の仕組みが違う)
  3. 性格神経症…精神病などによる、一時的なもの

①後天的ソシオパス

現代においてソシオパス的人格は、サイコパスよりも圧倒的に数が多いといわれています。

特に、親の愛を十分に受けることなく成長した場合や、虐待を受けてきた(他社の良心に触れられなかった)場合、ソシオパス的人格になる可能性が上がります。

ソシオパス的人格が形成されやすい環境

  • 幼いころから、親から重度の虐待を受け続けてきた
  • 愛を感じにくい環境で育った
  • 異常な価値観を持つ組織に入り、洗脳されている

ソシオパス的人格の特徴

  • 攻撃的でカッとなりやすい・キレやすい
  • リスクと未来への計画性がなく、衝動的に犯罪行動に走りやすい
  • 他社への思いやりが感じられず自己中心的であるが、それを正当化する
  • 長期的なものごとや、コツコツと積み重ねることが苦手(1つの定職に就く・結婚&家庭作りなど)
  • 自分と同意見の組織やコミュニティーに愛着を感じる場合もある

そして、ソシオパス的人格のなによりもの特徴とは、「後天的」に得られたものだということ。

この点が、サイコパスと決定的に違うポイントなのです。

②先天的サイコパス

ソシオパス的人格が後天的に得られたものなのに対して、サイコパス的人格は「先天的」なもので、「生まれつき備わっている(脳の仕組みが異なっている)」と考えられています。

なので、基本的に治療することができないというのが一つの大きなポイントになります。

サイコパスとソシオパスはどちらがより危険なのか?

という疑問については、サイコパスの方がより危険だと考えられます。なぜなら、犯罪が露見し、カウンセリングや更生プログラムを受けて治療したとしても、基本的に何も効果がないからです。

後天的なものや一時的なものと、先天的なものはきっぱりと区別してとらえられるべきです。なぜなら、後天的なものは「良心を育てる」ことができる可能性がまだ残っていますが、先天的なものは育てる土台がないので、努力しても不毛なのです。

実際、サイコパスの脳の状態を観察した医師は、典型的なサイコパスの脳は「良心」や「共感」を司る部分が一切活動していないことを発見しました。サイコパスのように「一切活動していない(=元から機能がない)」ものと、ソシオパスのように「活動が一時休止中」のものでは、まったく違います。

それでは、ここからは本題である「サイコパス的人格の特徴」について具体的に見ていきましょう。

※性格神経症については、あえてここでは触れませんが、過度の精神状態の悪化により一時的におかしくなってしまい社会的な基準で物事が考えられなくなっていることを言います。ストーカーが相手を刺す・精神患者が起こす事件などはこの性格神経症の場合が多いです。

サイコパスの特徴

1.「良心」が異常に欠如している

サイコパスの第一の特徴としてまず挙げられるのが、「良心の異常な欠如」です。「良心」とは、以下のような2つの人間の心の働きのこと。

  1. 道徳的に善いこと・悪いことの区別ができる
  2. それをわきまえたうえで正しい行動をしようとする

サイコパスの場合は、「良心」がもともと備わっていないと考えられています。それはつまり「良心がうまく働かない」ということ。

サイコパスの場合

  1. 道徳的に良いこと・悪いことの区別が自分の感覚では理解できない。
    →普通の人は、自分の感覚的に(内側から)理解できるようになるが、それが不可能なため社会で育つ中で「外側から」学んでいくことしかできない。理解が表面的である。
  2. 「正しい行動(=道徳的に良いこと)」をする場合、正当な理由が必要。
    →人から見られている・それが自分の利益になる、など。「理由」がない場合は、自発的に正しい行動をしようとは思えない

なぜこうなるのかというと、サイコパスの場合、良心を司る脳の前頭葉がうまく機能しないことが多い(人によっては、良心を司る交信が全く機能しない場合も)ためです。

よって、サイコパスとは、「先天的」障がいもしくは個性だといわれています。どれだけ技術が発達しても、脳の一部の機能を高めることは現在の医療では難しいです。

「道徳的」「倫理的」な考え方は、いつまでたっても身につきません。良心的な決断ができず、決定の際の基準は「自分にとってどのようなメリット・デメリットがあるか」です。

人なら誰しも利己的なところや性格が出るものですが、それが異常なレベルなのがサイコパスだといわれています。悪いことをする際、「悪いことだとはわかっているけど…」、「こうしないと仕方ないんだ」と心の中で迷いを抱えながら悪事に走るのではなく、ただ淡々とこなしていきます。

自分が得するためであれば、どんな悪事に対してもまったく躊躇しないのです。

2.自分以外の人間(or動物)に対して冷淡で、共感力に乏しい

とにかく自己中心的かつ自分第一主義のサイコパスですので、他人に対して非常に冷淡です。また「人の気持ちを考える」こと基本的にはできません。(※ここでいう「他人」とは、家族や恋人、友達も含み「自分意外のすべて人間」のことです。)

自分の回りの人間関係(友達や恋人)の構築においては、「この人物と付き合うことで自分にメリットがあるか・ないか」で選びます。

また、「メリットがある」と判断して付き合っても、自分にとってのメリットが無くなった際にはいとも簡単に切り捨てます。メリットのない人物に対しては、とことん冷淡かつ非人間的になることができるのです。また、自分以外の人間が大変なことに巻き込まれたときにやいざという時、決して力になったり助けたりしようとはしません。

むしろ、彼らの不幸や落ちぶれていく様子を淡々と観察しています。

サイコパスはこんな風に「他者」と付き合う(具体例)

  • 仲の良かったはずの友達に対して、いとも簡単にイジメる側に回る
  • 勢いのある会社の社長に懐いていたが、会社が傾いたとたん離れていく
  • 困っている友人に対して、自分に何かできることがあってもあえて提供しない
  • 自分がかつて助けてもらって恩を受けた人が困っていても、見捨てる

また、「共感」の感覚も欠如しています。

例えば、友達に悪いことがあって悲しんでいるとき。とても悲しい泣ける系映画を見たとき。つらい経験を聞いたとき。そんな時、「共感」によって感情を揺さぶられることもなく、とても冷淡にいられるのもサイコパスの特徴の一つです。

ただし、「共感すること」が社会的に必要不可欠なスキルだということは誰もが生きていく中で学ぶもの。彼らは、心の底では共感の気持ちなどこれっぽっちもなくても、共感しているように振る舞う…共感するフリをすることができます。

また、「社会的に」振る舞うことが求められない動物に対しては極端に冷淡です。サイコパスの中には、動物を殺めたり虐待することを楽しむ異常者もいます。

3.慢性的に平然と嘘をつく

彼らの多くは、嘘をつくことがクセになっています

通常、サイコパスの一つの特徴として。「嘘を付く傾向は幼少時代からある」といわれています。サイコパスの子供は、普通の子供の「現実と空想の違いがわかっていない」レベルを超えて、現実的なウソをつき、ふるまいます。

たとえば、こんな事件もありました。

  • 公園に遊びに行ってくる」と言って毎日のように出掛ける6歳の子供が、実は家の裏で日々野良猫の子供を虐待・殺害していた(→それが世間的には悪いことだと認識したうえで)。防犯カメラの映像によって露見し、両親が現場にやって来た際には、「犬にやられたみたいだから、今お墓を作っているんだ」と説明した
  • 養子として受け入れた子供(サイコパス)が、実の子供(障がいを持ち話せない)を夜な夜な虐待していたが、両親の前ではまるで模範的な10代のように振る舞っていた。虐待時の悲鳴については、親に「夜になるとなぜか騒ぎ出すんだ」と説明していた。

毎日の中の、非常にささいなことでもウソをついて、相手を困らせることを楽しんだり、自分の責任を免れようとしたりします。その目的とは、「物事を自分の思い通りに運ぶこと」「他人の思考をコントロールすること」です。

しかも、それをほぼ無意識の領域でやってきているので、彼らにとって嘘は悪いことではありません。「嘘をつくべきではない」という考え自体がないので、際限なく、まるで息をするようにウソをつきます。

サイコパスの嘘は、すぐバレる場合もあるのですが、彼らは頭の切れる人が多いので、うまくウソにウソを塗り重ね、その仮面の下で生きていくことにもなんら抵抗感・罪悪感はありません。

また、常に自分が嘘をつくため、人に対しても自分と同じだろうと考え、非常に懐疑的になりがちです。人の言うことを信じず、他人を一切信用しません。

3.非常に衝動的かつ行動に責任が取れないため、人をコントロールしようとする

彼らは、「自分の行動に責任を持つ」というという考えがありません。また、自分の将来や未来を逆算して計画的に行動することもなく「今が良ければ、すべて良し」という考え方が基本です。

そのため、非常に無責任な言動が目立つうえに、その後の責任を考えずに衝動的に行動することが多いです。この「衝動的である」というのも、サイコパスの特徴の一つです。

自分がなにかしらの欲求(性的、暴力的、など)に駆られた時、それを理性的に我慢することが困難です。しかし、「人の目がある」など社会的に制限がある場面ではうまく振る舞い、他社の目の行き届かない場で本性を現すことも。よって、彼らと二人きりになるのは非常に危険なのです。

その傾向をうまく表しているのが、以下のサイコパス心理テストです。

嵐の中、誰も通らないような夜道で、自分(男性)、親友、体調の悪そうなヨボヨボの老人、自分の好みの女性の4人が、バス停で半日待っていました。すると、やっと、たまたま「2人だけ乗れる車」が通りかかりました。誰を乗せる?

  • 普通の人の答え:自分、親友、ヨボヨボの老人、女性など様々な組み合わせ
  • サイコパスの答え:親友と老人を乗せて、自分は女性を襲う

彼らは、本来『良心』についての理解が希薄なので、「他人の目」という制限がない場では、反社会的行動や犯罪に走ってしまうことが多く、また犯罪に対して罪悪感や「するべきではない」という自制心がありません。

自分のしたいことが犯罪であっても、「できるときには、する」のです。

基本的な性格は、非常に短期でキレやすく、自分の思い通りに物事が進まないことにイラだち、すべてをコントロールしようとします。コントロールしたことによって起こり得る出来事に対しては自分では責任も持たず、見捨てたり、人に押し付けたりします。

こんなことが起こり得る

  • 男性の場合、乱れた性生活の中でも一切避妊をしないなど自分の衝動によってのみ行動する(女性の場合、「子供をおろしたり、産んだ子供を施設に預けたりすることに一切の罪悪感を感じない」など。)
  • 会社において、自分の責任で重大な事件が起こりそうになると、必死で「代役」を探したり、誰かのせいにしたりしようと画策する。極限まで追い詰められない限り謝ることはない。また反省することはない
  • 自分の決定によって何か良くない事態が起こった場合、スケープゴート(集団内の不平や憎悪を他にそらすため、罪や責任をかぶせられ迫害される人)を作り出し、責任から逃れようとする

4.罪悪感がなく、反省しない

サイコパスは、何度も同じこと(犯罪、悪意のある行動)を繰り返します。なぜなら、彼らには「罪悪感」がなく、道徳的な反省をすることがないからです。

サイコパス的人物の犯罪の特徴に、

  1. 犯罪を何回も繰り返すため、犯罪歴が多い
  2. 一つの犯罪で捕まると、芋づる式に様々な過去の犯罪が露見する

というポイントも挙げられています。

責任感が皆無で衝動的なので、普通の人であれば

  • 「今これをしたらどうなるだろうか」
  • 「こんなこと(道徳的に)するべきではない」
  • 「責任がとれないことはやめておこう」

と思い控えるところ、すぐに犯罪に走ってしまうのです。

また、普通の人であれば、自分のせいで人が悲しんでいたり泣いたりしている様子を見ると、「ああ自分はこんなに苦しめてしまっている」「悔い改めなければいけないな」と反省に至ります。

しかしサイコパスの場合、そのような場面においても申し訳ないという気持ちや同情心は一切芽生えません。彼らのような人たちには、誰がどのように言って聞かせても罪悪感や反省を促すことはできないのです。

こんな事件が起こり得る

  • 何度も離婚と再婚、そして相手へのDVを繰り返す
  • 自分が裁かれる裁判所が終わるまではしおらしくしているが、判決が決定してから(つまり自分の言動が裁判官にとって判断材料にならなくなってから)、被害者家族に対して、信じられないような非倫理的な発言を平気でする。(→被害者家族を苦しめるためでしかない)
  • 出所後、自分が捕まったことに腹を立てて被害者家族に嫌がらせ(もしくはさらなる犯行)をしにいく

5.自尊心が非常に強く、自己中心的

サイコパスは、自己評価が高く、根拠がないのに自信過剰な面もあります。つまり、「自分は特別な人間だ」という感覚が常にあるのです。

根拠のない自信でも、堂々としている様子によって他者を信じ込ませることは簡単です。彼らは他人をマインドコントロールすることにも躊躇がなく、また長けています。(→ブラック企業や信仰宗教の創設者になる素質もあります)

さらに、「自分は多くの他者よりも優れている・価値のある人間である」と考えるので、他人を見下したような態度をとることも非常に多いです。(態度には決して出さなくても、心の奥底では見下している、ということも。)

実際、サイコパスの中には社会的な成功者も多く、所得の高い富裕層を調査したところ普通の所得層よりもサイコパスの人口割合が多いことも、ある研究から判明しています。よって、実際に能力も高く社会的に認められる傾向の強い彼らですが、自己中心的にふるまい、基本的に自分の利益になることを優先する傾向もあります。

また、他人をうまく道具のように使って自分の目的を達成しようとすることもあります。その際、うまくいけば利益を享受しようとするのです。いわゆる、人を踏み台にしてのし上がるようなことも、サイコパスは平気でできます。

これまでにも書いてきたように、彼らは他者を思いやる気持ちも、自制心も、罪悪感もないのです。「自分のメリットになるならやる。」それが、彼らのシンプルな行動原理です。その際に、他人が犠牲になっても、「より価値のある人間(=自分)のためになるのであれば仕方ない」と考えています。

こんなことが起こり得ます

  • この世界で最も儲かるビジネスが「宗教のリーダー」だと言われています。信者を集め、そして彼らを洗脳していくことで、自分の地位、権力、経済力ともに確固としたものを築くことのできます。宗教の教祖の中には非常に悪質な者もいて、信者の人権も自由も制限したうえで、彼らからできる限りの利益を搾り取ろうとしているのです。
  • 宗教と似ているのが、ブラック中小企業。サイコパスがブラック中小企業の社長の場合、社員を馬車のように働かせ、使い物にならなくなったら捨て駒のように使い捨てます。
  • 犯罪組織のトップはサイコパスである可能性が高いです。
    たとえば、オレオレ詐欺の会社(オレオレ詐欺の多くは組織犯罪です)の社長は、社員を犯罪に仕向けるよう教育します。「年寄りが日本をダメにしている」、「年寄りが貯め込んだ役に立たない金を、世の中に流すことが自分たちの使命だ」といった言葉で社員を洗脳し、オレオレ詐欺をさせています。

6.表面的には魅力的な人物で、口が達者

サイコパスは、表面的には非常に魅力的かつ友好的です。表面的にのみ付き合いのある人が、事件の露見などによりサイコパスだったことを知ると、「まさかこの人が!」と思うような人であることが多いのです。

そして、「口が達者」なのも彼らの大きな特徴の一つ。頭の回転が早いので、「今、この状況においてどのような発言をするべきなのか」を瞬時に考えることができます。仕事もでき、対人関係においても優秀なため、会社や組織においては高い評価を受けることが多いのです。

そして、重要なのが「サイコパスには高い評価を受け、魅力的な人物が多い」という点です。

サイコパスの多くは、自分の人格に何かしらの問題があることを自覚していることが多いです。(その点が、ほかの多くの精神疾患と異なる点かもしれません。彼らは場合によっては非常に客観的に自分の分析をすることができるのです。)

そして、彼らは、人の心理的な動きも普通の人よりも正確に把握しています。

なぜなら、普通の人が「ただただなんとなく生きてきた」のに対して、彼らは社会の中で圧倒的多数である「普通の人」として見てもらえるように、普通の人の心の動きをずっと観察し、それをマネすることで社会的に生きてこられているからです。

出来事や物事対する、自分の心の動きが他者のそれと違うことを自覚したうえで、相手にとって好ましい存在として認識されるよう行動します。たとえば、「誠実なふり」をしたり、あえて「相手が喜ぶ言動をし」たり、パフォーマンスとして「思いやりがあるようにふるまう」ことができます。

どう言えば(振る舞えば)その人に喜ばれて、そしてどうすればその人を自分の思い通りにコントロールできるのかを、笑顔の下で無意識に、そして冷静に考えています。

重要!サイコパスについて知っておきたい5つのこと

さて、ここまでサイコパスの特徴について語ってきましたが、サイコパスについて誤解のないよう知っておくべきことが5つあるので紹介します。

1.サイコパス度合いは人によって異なり、グラデーションがある

まずなによりも知っておくべきなのは、「サイコパス」と一言に言っても、決してみながみな同じ特徴を持っているわけではないということです。

サイコパスには、グラデーションがあります。

典型的なサイコパスの人もいれば、「サイコパスぎみ(良心を司る脳の働きが通常よりも弱い)」程度の人も存在します。

線を引いて、「ここからはサイコパス。」と決めることはできないのです。

2.サイコパス=犯罪者ではない

この記事においていままで話してきた「サイコパスの特徴」は、典型的なサイコパスにおけるものです。しかし、「完全にサイコパスな性格の人」であっても自分の残酷な欲求を実行に移すかどうかはまたその人次第です。

また、サイコパスの中にも自らに残酷な欲求があるわけではなく、ただ「(シリアルキラーや犯罪者の気持ちが)理解はできる」という程度の人もいます。そして人によっては「自分は人をあやめることはできない」「動物を虐待するのは抵抗がある」など、あたりまえですが基準が異なります。

また、それまでの人生において「自己中心的に振る舞うこと」「人の感情に共感しないこと」などに不便に感じることを学び、なるべく自己中心的に振る舞わない・共感しているようにふるまうなど、努力する人もいます。

犯罪を犯すサイコパスはほんの一部だけであって、大半のサイコパスは社会の仕組みの中でうまくやっていけているのです。

その人の実際のふるまいとは、サイコパスかどうかだけに限らず、その時代の価値観や、育った環境、本人の個性によっても変わってくるものだということを、忘れないようにしましょう。

3.サイコパスも「人の個性」の一つである

サイコパスが起こした事件の悲惨さを見ていると、「こんな人たちは全人類にとって危険だから、サイコパスを判別して、事前に隔離しておくべき!」という過激な意見も出てくるのもわかります。

しかし、サイコパスも人間の個性の一つなのです。

人には様々な個性があります。もし彼らの「脳の障がい」が別の部分で起こっていたら、彼らはサイコパスではなく別の障がいを持っていたことでしょう。(アスペルガーやダウン症など)アスペルガーやダウン症などを持つ人々のことを、「隔離しておくべきだ」なんて言ったら、差別・人権侵害もいいところです。

どんな人間でも、その個性や能力、性格のために人権を奪われることは決してありません。それは、今まで様々な人間の負の歴史が確固たるものにしてきた人類の学びであり財産です。

4.サイコパスが人間社会にもたらす利益

まるで「異端者」「問題児」「害を及ぼす人々」のように扱われることの多いサイコパスの存在ですが、実は人間社会にもたらす利益もあります。

たとえば、サイコパスには社会的な成功者として活躍する人も多く、医者や弁護士などに特に多いと言われています。彼らは、激務の中、人々の生活を守っています。どちらも、とても重要な仕事ですよね。

また、ある研究によると、「サイコパス人口の割合が増える時代には、社会が飛躍的に進歩しやすい」ということがわかっているのだそうです。

さきにも言いましたが、人間は、「社会的な生き物」です。社会的だからこそ、人間関係で苦しみ、忖度の中をなんとか前に進もうともがいています。

そんな中で、高度な知的能力を持ったサイコパス的人格の者が、「社会秩序」という名の枠組みの中に納まらず、他者がもがいている間に他人を蹴落としたり、非良心的な汚いことをしてでものし上がり、そして成功する例は多々あります。

資本主義・民主主義は、最近確立したばかりのルールですが、この中においては「人のためになること」「社会のためになること」が結果的に自分の利益になって帰ってきます。そのなかでは、自分の利益を一目散に目指すサイコパスの姿勢は(褒められたものではないにしろ)、結局、社会に縛られた人間たちの進歩において「突破口」を作る役目を負っているのかもしれません。

5.最後に…。ただし、身近なサイコパスには気を付けよう

しかしそれでも、もし身近にサイコパスがいたら、積極的に関わることはあまり推奨しません。なぜなら、彼らの存在が「人類全体」のためになっていようとも、「あなた」という個人が犠牲になる可能性をわざわざ高める必要はないからです。

「犠牲」というのは、あなたが暴力を受ける・犯罪の被害者になるということだけでなく、あなたが「彼らの利益になるようコントロールされる」ということです。

「あなた」という一個人においては、やはりあなたは自分の身を守ることを優先するべきです。自分の人生は自分のためにあり、他社にむりやりコントロールされるべきものではないからです。

身近な人(家族・親戚など)の中にサイコパスがいる場合、なるべく保身しつつ適度に距離を置くのが安全。そしてそのサイコパス疑惑の人物が友達や知り合い程度なのであれば、あまり関わらないようにしましょう。

なぜなら、彼らが人類(もしくはこの社会)に利益を及ぼすことはあれど、あなた個人に利益を及ぼす可能性はとても低いからです。

あなたはサイコパス?簡単診断テスト(10問)

さて、ここまで読んで「じゃあ自分はどうなんだろう?」と思った人は、以下の簡単なサイコパステストを受けてみてください。

全部で10問で、「はい」か「いいえ」かを答えます。

第1問.

人はみな、自分の感情を偽って表現しているものだと思う(喜怒哀楽の表情やしぐさは、すべてパフォーマンスである)

はい・いいえ

第2問.

テレビの感動系番組(犬や病気をテーマにしたドキュメンタリーなど)に共感できたことが一度もない。家族や友達がテレビをみて泣いていても、理解できない

はい・いいえ

第3問.

人(もしくは動物)をイジメることを悪いことだとは思わない。イジメること・イジメを見ていることに快楽を感じ、罪悪感は一切ない。(過去のイジメについても後悔はない)

はい・いいえ

第4問.

親戚でも友達でも、自分以外の人の極端に不幸な話(重い病気、だれかが亡くなるなど)を聞くのが楽しい。心の中で、もっと状況が悪化すればいいと思う

はい・いいえ

第5問.

幼いころから、慢性的に虚言壁やウソをつく癖がある。(とくに自分の利益のためになるよう小さなウソを組み合わせることが多い)

はい・いいえ

第6問.

自分が大きな責任を負いたくないため、会社、家庭、人間関係の中で何かあっても責任転嫁することが多く、自分が得するためであれば誰かが犠牲になってもかまわない

はい・いいえ

第7問.

恋愛対象の異性ときちんとした交際ができず、いつも短期で乗り換えたり、長続きしなかったりする。また、同時に多数の異性と付き合うなど関係が乱れている

はい・いいえ

第8問.

人を殺めることがなぜ問題なのかわからない(法律的に許されないとはわかっていても、心情的には理解できない。むしろ犯罪者側に共感する)

はい・いいえ

第9問.

インターネットなどで残酷な事件を見ているのが楽しい。その場合、怖いもの見たさではなく、「自分も加害者になりたい」と思い、犯人になったつもりで読む

はい・いいえ

第10問.

人を愛する・思いやる・人のために悲しむ・幸せを願う、という感覚を、今までに一切感じたことがなく、理解できない

はい・いいえ

以上です。

「はい」と答えた数が多いほど、あなたはサイコパスの傾向があります。0~2つは普通の範囲内です。3つ以上「はい」がある場合、普通の人の感覚からは少し離れサイコパスの傾向が出てきています。5個以上当てはまる場合、かなりサイコパスの傾向が強いです。

もっと正確なテストを受けてみたい・詳しく調べてみたい、という人は、50問バージョンの診断テストもあります。「自分のサイコパス具合は、200点中何点か」を、具体的に知ることができますよ。(↓)

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