世にも珍しい「猫の目」を持つ、猫目シンドローム(Cat Eye Syndrome=キャットアイ症候群)の人々について紹介します!
「猫の目をもつ」といえば、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する、鬼太郎のガールフレンド猫娘(ねこむすめ)ですね。
実は、あまり知られていないのですが、世界中に「猫目」の人々は実在するんです!
もくじ
猫目シンドローム(キャットアイ症候群)とは?
正式名称は、「シュミット・フラカロ症候群(Schmid-Fraccaro Syndrome)」。
Cat eye syndrome happens when a coloboma affects your iris or pupil. What to know about causes and treatment: https://t.co/ZhU0kX8KqP pic.twitter.com/pwkV6fVQU6
— WebMD (@WebMD) December 6, 2019
「キャットアイ症候群」としても知られている、とっても珍しい病気です。
名前の由来は「目が猫のようになる」ことから
「Cat Eye Syndrome」と呼ばれるのは、その名の通り、患者の目(瞳孔部分)が猫のようなかたちになっているからです。
ただ、すべての人が、猫のような「縦に長いひし形の瞳孔」になるわけではないです。
瞳孔の形は人それぞれ。
きれいに猫目になっている人もいれば、まったく猫の目に似ていない患者も、たくさんいます。
「猫の目のような能力」は、ない
猫目シンドロームだからといって、猫の目のように、
- 暗闇でもよく見える
- 動体視力がすごい
といった能力は、この「猫目シンドローム」にはありません。
むしろ、実はふつうの人と比べてよく見えなかったり、見え方に異常があったりと、大変なことの方が多いんです。
「猫目シンドローム」は、先天性の奇形
猫目シンドロームは、先天性の病気です。
つまり、患者は「生まれつき」この目を持って生まれてきます。
治すことも難しいため、猫目シンドロームの人は一生をこの目で過ごすことになります。(ある程度の治療は可能です。)
「5万人に1人」の確率で生まれる
キャットアイ症候群にかかった赤ちゃんは、「5万人に1人」の確率で生まれます。
ただし、その度合いは人それぞれ。
症状が軽く、キャットアイ症候群だと気付かずに育つ人も多いです。
あまりにも重度の場合は、他の体の部位にも「奇形」などの異常が出て、ふつうにクラスのが困難だったり、早く亡くなってしまう人もいます。
しかし、ほとんどの人は「ふつうの人と、同じような生活」を送っています。
なぜ、猫目シンドロームの人が生まれる?
猫目シンドロームの人は、どのように生まれるのでしょうか?
「22番目の染色体」の異常で生まれる
人の体には、ふつう「23本の染色体」があります。
キャットアイ症候群は、「22番目の染色体」に異常がある場合に発生します。
22番目の染色体のうち、元々「2」であるはずの場所に「3〜4回」存在する場合にのみ発生する、深刻な「染色体異常」です。
しかし、そもそも「なぜこのような異常が発生するのか」という原因は、まだはっきりとはわからず、現在も解明されていません。
目だけでなく、体の他の部分にも影響が出る
「目」だけでなく、同時に体の他の部分(耳、心臓、腎臓など)にも影響を与える可能性があります。
つまり、キャットアイ症候群の患者は、目だけでなく体の他の部分にも、なにかふつうとは違う症状が現れている可能性が高いんです。
また、体の部位だけでなく、
- 学習能力の障がい
- 精神障がい
が併発する場合もあります。
つまり、猫目シンドロームの人々は、ただ「ユニークな見た目」というだけではなく、さまざまなリスクと隣り合わせの状態なんです。
親から子どもにも遺伝する
ただし、この「猫目シンドローム」は親から子供へ遺伝することがわかっています。
つまり、「親子で、猫目」ということもありえるんです。
生前にわかる
この猫目シンドロームは、程度の差こそあれ「障がい」として見なされます。
赤ちゃんの生前の超音波検査と遺伝子調査でも、猫目シンドロームに罹っている場合は、知ることができます。
猫目シンドロームに罹っている場合、目の形状異常だけであればふつうに生きられるのですが、「心臓の欠陥」、「腎臓の異常」など、他の身体の部分の異常があると、長くは生きられない可能性もあります。
生前検査では、その「目以外の異常」もチェックするために、いろんな検査が行われるようです。
日本では、「産むか、産まないか」という厳しい判断を迫られることになります…。
猫目シンドロームをもつ、世界の人々
とても数の少ない猫目シンドロームですが、世界中にいます。
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片目だけキャットアイの赤ちゃん。
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こちらも、片目だけキャットアイになっている男の子。
かなり猫の目っぽい、キャットアイ症候群の女の子。
有名なネパールの猫目少年
カメラマンの「Renan Ozturk氏」が写真で捉えた、ネパールの村に住む少年。
彼は、かなり「猫目」に近いかたちの茶色い目を持っていました。
猫目シンドロームのモデル、Caitin Stickelsさん
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彼女は、わかりやすく「猫目」ではないのですが、
猫目シンドロームと、さらにさまざまな体の合併症(心臓、腎臓、唇の形状異常など)をもつ中で活躍する、現役のモデルさんです。
猫目シンドロームを患った人の中では、一番有名な人です。
まとめ
キャットアイ症候群は、とても珍しい「染色体異常」です。
この病気は、ただ「猫の目みたいでユニークな目」を持つというだけでなく、ほかの体の部位にも影響を与えるような深刻なもの。
確率は「5万人に1人」と言われていますが、これまでに記録されているのは100人程度と、レアな症状です。
大変な合併症を抱えるキャットアイ症候群の人々の中にも、Caitin Stickelsさんのように、中でも自分らしく生きようとしている人たちが、たくさんいます!
彼らにとって、生きやすい世の中になることを願います😊
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