海外旅行

セノーテダイビング、初心者はNG!事故にあった友人の体験談と、潜っていい人のチェックリスト

メキシコのユカタン半島にある「セノーテ」は、水中の絶景の代名詞。

「この景色を見るためにダイビングライセンスを取った!!」という旅人に、世界一周中、何人も会いました。

でも実は、海外ではセノーテは「中級者向け」のポイントで、初心者は控えた方がいいというのが常識です。(ダイビングショップも、経験本数が20本以下の初心者はセノーテに連れていってくれないところが多いです。)

海外のダイバーならちゃんとチェックしている、

こんな人は、セノーテでのダイビングは控えた方がいいよ

というチェックリストがあるので、自分自身に照らし合わせてみてください!

「セノーテで潜っていいダイバー」のチェックリスト

現地カンクンのベテラン・ダイビングインストラクターから聞いた、「潜っていいダイバー」のチェックリストを紹介します。

1.「狭い場所」でのダイビング経験はあるか

洞窟ダイビングに限らず、レックダイビング(沈没船探検)の経験があれば大丈夫です。

「自分のタンクを含めた体の大きさを認識できているか」がとにかく大切なんだそう。

経験がないと、とにかくゴチゴチ当たりまくるので、形の鋭い鍾乳洞の場合などで怪我をしてしまう可能性があります。

鍾乳洞はかなり鋭いので、頭を打って切れてしまったら、かなり大変なことになります。

そして、ぶつけた拍子に美しい鍾乳洞が壊れてしまったら、罰金を払う場合も( ノД`)

 

2.「暗い場所」でのダイビング経験はあるか

懐中電灯を使ったナイトダイビングなどの経験があれば大丈夫です。

懐中電灯を持って片手がふさがっている状態で、真っ暗な中でも落ち着いて行動できるか、がポイントです。

セノーテは「青の光」で有名ですが、それはダイビングのトータル時間の内の最初と最後だけで、

基本的には真っ暗な中での「洞窟ダイビング」がメインになります。

 

3.閉所恐怖症・暗所恐怖症ではないか

セノーテは、ポイントによって想像以上に狭く、暗いです。

パニックになってしまっても、洞窟内には逃げ口がありません。

また、パニックまで行かなくても、緊張で息が浅くなってエアーの減りが異常に早くなってしまう場合も危険なので、

自分の安全のためにも、閉所恐怖症、暗所恐怖症の人は絶対にやめておきましょう。

 

4.中性浮力、耳抜き、マスククリアなど最低限のことが問題なくできるか

初心者の特徴として、腕をバタバタさせて中性浮力を取ったり、体が垂直になってしまう、という点がありますが、

洞窟の中でこれをやると、暗い中でどこかに手をぶつけて怪我をしてしまったり、鍾乳洞を蹴って壊してしまったり、

砂を巻き上げて水を濁らせてしまうことがあります。

特に水を濁らせてしまうと、進路がわからなくなってしまう可能性もあり、非常に危険です。

そもそも、セノーテダイビング中は普段持っていない懐中電灯を片手で持っているので、腕をバタバタさせることはできないのですが、、

普段バタつかせていると、手をバタつかせないとバランスがとりにくく、洞窟ダイビングを楽しむことに集中できなくなるかもしれません。

水の温度が変わりやすいのも、セノーテの特徴です。洞窟の奥に行くと、水が冷たくなっていくのが感じられますが、マスクが曇ってしまうことが多いです。

マスクが曇ったままの洞窟ダイビングは、ほぼ視界0です。

また、耳抜きもしっかりできないと、途中で浮上することができないので耳が痛くなった時にもの凄くツラいです。

セノーテの中には、どんどん深く潜っていくタイプのポイントもあるので、

問題なく耳抜きができるのと、マスククリアができること、そして中性浮力が当たり前のように取れるのは最低限必要な能力です。

 

5.ダイビング経験本数は充分か、最後のダイビングは最近か

セノーテダイビングをするのに、最低限20本必要なダイビングショップが多いようです。

また同じ日に潜るメンバーの中でも、レベルの高いグループと低いグループに分けて、潜るポイントを変えることもあります。

40本くらい潜っていれば、面白いコースに行けるかもしれません。

また、最後のダイビングから2か月以上たっていると、セノーテで潜る前に普通の海のポイントでリフレッシュダイビングをする必要があります。

カンクン周辺には、セノーテ以外にも面白いダイビングスポットがたくさんあるので、そっちでダイビングをしてからセノーテダイビングに挑戦するといいと思います。

 

以上、セノーテで潜る前にチェックしておきたい項目5つでした!

 

初心者だけどセノーテでダイビングして、大変な目(事故)にあった友人の話

わたしの友達(女性)が、ダイビング初心者でセノーテに潜ってかなり大変だったそうなので、彼女の経験をシェアします。

彼女は、タイでPADIのダイビングライセンス(オープンウォーター)をとって、その後もいろんな場所で潜ったそうです。

ただ、そのすべては「南国」の「海水」で、「明るい場所」でのダイビングでした。

彼女がセノーテに挑戦した時点での、ダイビング経験本数は「12本」。

ダイビングショップによってはセノーテには行かせてもらえない本数なのですが、なんとか行かせてもらえるショップを探して、無理やりセノーテダイビングツアーに参加したんだそうです。

エントリー直後から、冷水でマスクが曇る+耳抜きできない問題発生

彼女のマスクは、エントリー直後から曇っていました。

さらに、耳抜きもなんだかうまくできない。

その時は、「片手に懐中電灯を持っていて、もう片方の手で水中カメラを持っていたから、マスククリアも耳抜きもできなかった」んだそう。(落ち着けばできるはずなのですが、そんな余裕もなく。)

「セノーテで潜る=ある程度の経験がある中級ダイバー」

という認識なので、インストラクターは「耳抜きができたかどうか」確認などせず(そんなのは当たり前なので…)、エントリーから気長に待ってはくれません。

それに、洞窟ダイビングは、コースと時間の問題もあるため、さっさと進みます。

彼女も、とりあえず進んだそうですが、体温と水温(セノーテの水は冷たい)の差によって、マスクはどんどん曇っていきました。

若干のパニックに

セノーテの内部は真っ暗で、しかもマスクも曇っているので、ダイビング中ずっと彼女の視界は悪い状態でした。(10%程度しか見えていなかったそう)

耳抜きも中度半端で、痛いまま。(セノーテは洞窟なので、上がれません)

狭い場所を潜り抜けなければいけないスポットもあり、中性浮力が完璧にはとれない彼女はゴチゴチ、とタンクを岩にぶつけます。

うまく潜れていない彼女に気付いたインストラクターは、彼女の片腕を掴んでサポートしますが、彼女は「助けてもらってなんとか進む」状態。

あとから振り返って「あの時は、結構パニックだった」と語っていました。ダイビング後に確認すると、エアーの減りも他のダイバーより5割ほど多かったそうです。

セノーテでダイビングを終えたあと、頭から出血

なんと、彼女はセノーテでのダイビング中、鍾乳洞に頭を打ち付けて頭から出血していました。

ダイビング中は、パニック状態&ワケがわからなかったので、気づかなかったようです。

そして、本当はその日「3本」潜る予定だったそうですが、1本目で「もうセノーテでは潜りたくない」となってしまい、途中棄権。

傷口に細菌が入る危険性があるので、一応病院へ向かったそうです。

その後、病院で切れた部分を消毒と治療をしてもらい、ヘッドネッドのようなものをつけられて「安静にするように」と言われたそうです。

彼女の経験から学ぶべきこと

…彼女の体験談を聞いて、

やっぱりセノーテダイビングでは、基本的な技術に加えて、ある程度いろんなシチュエーションでのダイビングの経験がないと、危険だし難しい、ということを実感しました。

たとえば、

  • マスククリアと耳抜き
  • 厚めのウェットスーツ(5mm以上)でのダイビング
  • 暗所・狭所でのダイビング
  • (淡水・冷水における)中性浮力

などなど。

とくに、怪我を防ぐためにも「中性浮力」は本当に大事だと思います。

「厚めのウェットスーツ+淡水」で潜るのは、南国で「薄めのウェットスーツ+海水」で潜るのとは、全然違います。

潜るときの感覚(動きやすさなど)も、中性浮力の取り方も。

セノーテは「洞窟ダイビング」というあらゆるダイビングのポイントの中でももっとも危険性の高いポイントである、ということを知ったうえで、十分な経験値(あらゆるシチュエーションでのダイビング経験)を持ったダイバーが、楽しむポイントなんだと思います。

彼女自身も、

ずっと楽しみにしていたセノーテなのに、全然楽しめなかった…。もっと経験を積んでから行けたらよかった」

一番見たかった青い光のカーテンは、シュノーケリングでも見られたから、大人しくシュノーケリングを楽しんでおけばよかった」

などと、後悔していました。

まとめ

  • セノーテには、初心者向けのポイントはない
    (どこのポイントも「ちゃんと経験を積んだダイバー」向け)
  • 狭い場所・暗い場所での体験があるダイバーじゃないと、事故につながる可能性がある
  • 中性浮力が完璧に取れる、中級以上のダイバー向け

…というわけで、

初心者や、経験値が浅い段階でセノーテに挑戦するのは、やめておきましょう!!

超ベテランのダイバーですら死亡事故を起こしているポイントです。

私の、セノーテで大変な目にあった友人は、「細菌感染」こそしなかったものの、頭の怪我によって、そのあとは海やプールでも遊べず、カンクン旅行の楽しみが半減してしまいました…。

経験のあまりない初心者がセノーテで潜るのは、正直かなり危険だし、中性浮力がとれない人が行くのは無謀だと思います。

シュノーケリングでも、セノーテの美しさは味わえるので、自信のない人はシュノーケリングにしておくことを、強くおすすめします!!!

 

セノーテ情報については、こちらのサイトがとても参考になりました。↓

カンクンのおすすめセノーテ26選。【人気Top5〜穴場まで紹介!】

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